失業等給付における「給付制限期間」の変更(2020/10/9)

雇用保険において、離職した際には基本手当(いわゆる失業手当)を受けることができます。

この基本手当を受給するためのにはいくつかの条件がありますが、

そのうちの一つに「給付制限期間」があります。

 

従来、一身上の都合などで自己都合により退職した場合などにおいて、

7日間の待期期間終了後、3か月間の給付制限期間がありました。

 

この給付制限期間の制度が変更され、

令和2年10月1日以降に一身上の都合などで離職された方であっても、

5年間のうち2回までは給付制限期間が2か月となりました。

 

詳しくは、下記のURLより厚生労働省のパンフレットをご参照ください。

https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000655465.pdf

 

なお、パンフレットの中では、

「正当な理由がない自己都合により退職した場合」という表現になっていますが、

ここに一身上の都合による退職が含まれるとして読んでください。

 

コロナによって多くの方が職を失っており、

少しでも早いタイミングで基本手当が受けられると

多少は安心感が増すのではないかと思います。

 

なお、基本手当の受給にあたってはその他にも条件や手続きがありますので、

詳しくはハローワークのHPをご参照ください。

令和元年度過重労働解消キャンペーン(2020/10/2)

 

今年も、厚生労働省では「過重労働解消キャンペーン」を実施します。

実施期間は、令和2年11月1日(日)から11月30日(月)までの1か月間です。


主な実施事項のうち「過重労働が行われている事業場などへの重点監督の実施」について、

以下のように公表されています。(内容は昨年と同様です)

 

ア.監督の対象とする事業場等

 ①長時間にわたる過重な労働による過労死等に係る労災請求が行われた事業場等

 ②労働基準監督署及びハローワークに寄せられた相談等から、

  離職率が極端に高いなど若者の「使い捨て」が疑われる企業等

 

イ.重点的に確認する事項

 ①時間外・休日労働が36協定の範囲内であるか等確認し、法違反が認められた場合は是正指導

 ②賃金不払残業がないかについて確認し、法違反が認められた場合は是正指導

 ③不適切な労働時間管理については、労働時間を適正に把握するよう指導

 ④長時間労働者に対しては、医師による面接指導等、健康確保措置が確実に講じられるよう指導

 

ウ.書類送検

 重大・悪質な違反が確認された場合は、送検し、公表
 

過重労働解消キャンペーン(厚生労働省HP)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/roudoukijun/campaign.html

 

監督指導の結果、1年間に2回以上同一条項の違反について是正勧告を受けた場合等は、

ハローワークにおいて、一定期間求人を受理せず、

また、職業紹介事業者などに対しても、同様の取り組みを行うよう協力要請しているとのことです。

 

今年4月1日より、中小企業でも時間外労働の罰則付き上限規制が適用になっています。

コロナによって雇用自体が甚大な影響を受けており、

テレワークの導入など労働環境が大きく変わっている会社様も多いと思います。

改めて労働環境の整備をお願いいたします。

国勢調査(2020/9/25)

国勢調査が実施されています。

 

国勢調査は、5年に一度、統計法に基づいて実施する人及び世帯に関する全数調査で、

生活環境や防災計画など、国民生活に欠かせない施策などに利用される重要な調査です。

 

例えば、国勢調査の結果をもとにした将来推計人口などは、

年金や医療費の給付を決める資料となっています。

また、子育て支援や高齢者福祉のための対策に利用される他、

防災計画の策定や被害予測にも活用されるなど、極めて重要な役割を担っています。

 

また、国勢調査の結果はインターネットでも公表されます。

そのため民間企業などが国勢調査を元に様々な経営計画を検討することもできます。

コロナ対策の中で、多種多様な分析がなされてきました。

その分析の中でもこの国勢調査の結果が寄与しているものがあるはずです。

 

昨今では個人情報に対する意識が高まる中で調査が難しくなっているそうです。

そして今回はコロナによって調査員の人数が確保できないなど、さらに難しい状況にあるようです。

 

国勢調査はインターネット回答も可能です。

実際にやってみましたが、操作性もよく、回答しやすいものでした。

 

今回の国勢調査は令和2年10月1日時点の情報を記載するもので

紙での回答であれば10月1日から10月7日までが回答期間となっていますが、

インターネット回答であれば9月14日から10月7日までと、すでに回答可能です。

9月中に回答し、その後何かの変更がある場合は再ログインして修正することができます。

 

非常に多くの場面で統計的な分析が行われるようになってきており、

統計的な分析が無ければ様々な施策の信頼性が下がってしまいます。

少しでも多くの方が取り組まれることを願っています。

菅内閣の発足(2020/9/18)

令和2年9月16日、菅内閣が発足しました。

約7年8か月、首相の連続在職日数が歴代最長となった安倍政権で官房長官を務め、

安倍政権の継承を掲げて発足した菅内閣は、人事でも前政権の継承が行われた印象があります。

良くも悪くも、安定的な政策の継続が予想されます。

 

社会保険労務士としては厚生労働大臣に注目していたところ、

厚生労働大臣経験もあり、厚生労働行政にも詳しい田村憲久議員氏が再任され、

着実な政策の実行をしていただけるものと期待しています。

 

また、デジタル庁の新設にも関心があります。

これまでも政府は行政のデジタル化とか電子化というものを唱えてきましたが、

現実を見るとかなり厳しい状況です。

 

直近の厚労行政だけ見ても、

雇用調整助成金の電子申請、新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)、

新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS)など。

あまり芳しい評判を聞きません。

 

他にも、特別定額給付金などの給付金や補助金などの申請においても、

かなり手間取っている印象を受けます。

 

日本の行政がデジタルに疎いことは、改めて浮き彫りになりました。

これまでと同じ轍を踏まぬよう、そしてより良いデジタル社会を作ってもらえるよう、

切に願っています。

令和元年度長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導結果(2020/9/11)

厚生労働省は、令和元年度に長時間労働が疑われる事業場に対して実施した、

労働基準監督署による監督指導の結果を公表しました。

 

詳細は下記のURLより、厚生労働省ホームページをご参照ください。

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_13350.html

 

平成31年4月から令和2年3月までの監督指導結果のポイント

 1.対象事業場:32,981事業場

 このうち、25,770の事業場(78.1%)で労働基準関係法令の違反あり。

2.主な違反内容(1.のうち、法令違反があり、是正勧告書を交付した事業場)

 (1)違法な時間外労働があったもの :15,593事業場(47.3%)

 (2)賃金不払残業があったもの :2,559事業場(7.8%)

 (3)過重労働による健康障害防止措置が未実施のもの :6,419事業場(19.5%)

3.主な健康障害防止に関する指導の状況

 (1)過重労働による健康障害防止措置が不十分なため改善を指導したもの:15,338事業場(46.5%)

 (2)労働時間の把握が不適正なため指導したもの:6,095事業場(18.5%)

 

平成30年度(前年度)は、実施事業場数が29,097事業場で、

このうち、20,244の事業場(69.6%)で労働基準関係法令の違反ありでした。

前年度に比べ、実施事業場数は3,884件増えました。

平成28年度の実施事業場数は23,915件だったので、3年度前と比較すると約9,000件増えています。

 

大企業では昨年4月から、中小企業では今年4月から、時間外労働の上限規制が実施されており、

社会の意識が高まっているものと認識していたので、8割に近い違反率は意外でした。

質・量ともに、監督署の監督指導が厳しくなっていることを感じます。

 

今年度は新型コロナによる影響で、

多くの事業場が例年とは異なる就業環境を強いられているものと想像します。

いずれにしても、労働環境が整っていない就業場所が敬遠されたことは間違いなく、

今後の労働環境の整備は、従来とは別の観点からも重要なものになると考えます。

本社機能の地方移転(2020/9/5)

パソナグループが、東京本社の主要な機能を淡路島に移す計画であるとの報道を見ました。

 

コロナ禍の昨今、テレワークが普及し、働く場所が見直されています。

場合によってはオフィスの解約に至るような会社もあるようです。

それを考えれば、本社機能が東京以外の場所に移ることも当然の選択肢なのでしょう。

逆に、地方を活用しない手はないかもしれません。

 

以前、中央省庁も地方移転を模索していましたが、あまり進んでいない印象です。

安倍総理が辞任することになり、後任の自民党総裁選がこれから行われますが、

誰が次の総理大臣になるかによって、地方への取り組みも変わってくると思います。

 

そこで問われるのはやはりインフラ整備なのだと思います。

人が集中しないためのハード的な通信網や物流網の整備はもちろんのこと、

法律や慣習などのソフト的なインフラ整備も重要であろうと考えます。

 

労働関係法令も、場所に焦点を当てているところがあります。

三六協定や就業規則は、原則事業場ごとに作成や届出をすることになっていますし、

労災、雇用保険、そして社会保険も原則は事業場ごとに保険関係を成立さます。

もはや事業場という考え方自体がそぐわないこともあるかもしれません。

 

ただ一方で、小売り、物流、医療、教育や保育、介護など、

場所を移すことが難しいお仕事もあり、かつ生活には欠かせない仕事です。

 

働く場所が固定的であっても可変的であっても、

働くことに変わりはなく、生活に必要なものです。

それを支えられる社会を作る必要があるように思います。

地域別最低賃金額改定の答申(2020/8/28)

令和2年8月21日、すべての都道府県における地域別最低賃金の答申について

厚生労働省HPに掲載されました。

 

7月22日に行われた中央最低賃金審議会では、審議が大変難航しました。

結果、コロナの影響により地域別最低賃金額の引き上げ額の目安を示すことは困難であり、

現行水準を維持することが適当、という答申になっていました。

 

この答申を受け、最低賃金を昨年度から据え置いたのは、

北海道、東京都、静岡県、京都府、大阪府、広島県、山口県の7都道府県であり、

そのほかの40県では1円から3円の引上げが行われました。

引上げ額が1円は17県、2円は14県、3円は9県となっています。

 

改定後の全国加重平均額は902円と、昨年度の901円から1円の引上げにとどまっています。

また、最高額(1013円)と最低額(792円)の金額差は221円(昨年度223円)です。

 

今回答申された改定額は、都道府県労働局にて異議申出に関する手続を経た上で、

都道府県労働局長の決定により、10月1日から10月上旬までの間に順次発効される予定です。

 

詳しくは、下記のURLより厚生労働省のHPをご参照ください。

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_13061.html

改正高年齢者雇用安定法による70歳までの就業機会確保措置(2020/8/21)

70歳まで働く機会の確保を企業の努力義務とする

改正高年齢者雇用安定法などの関連法が、令和2年3月31日に成立しています。

この法律は令和3年4月1日から施行することとなっています。

 

現行の高年齢者雇用安定法では、65歳までの雇用機会を確保するため、

事業主に対して以下のいずれかの雇用確保措置を講ずることが義務付けられています。

 1.65歳までの定年引上げ

 2.65歳までの継続雇用制度の導入

 3.定年廃止

 

今回の法改正では、70歳までの就業機会の確保のため、

以下のいずれかの措置を講ずる努力義務を新設しました。

 1.70歳までの定年引上げ

 2.70歳までの継続雇用制度の導入

 3.定年廃止

 4.高年齢者が希望するときは、70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入

 5.高年齢者が希望するときは、70歳まで継続的に社会貢献事業に従事できる制度の導入

4.及び5.による場合には、労働者の過半数を代表する者等の同意を得たうえで導入)

 

まず注意すべきは、改正法の70歳までの就業機会確保措置は、

あくまで「努力義務」であって「義務」ではないということです。

 

現在、各地方最低賃金審議会において、最低賃金をどうすべきか議論されています。

厚労省の分科会では、障害者雇用率の年度内引き上げについて議論されています。

一方で倒産や派遣切りなどの話も聞こえてきます。

 

雇用の維持と所得の確保。

難しい局面が続きそうです。

「新しい生活様式」における熱中症予防行動(2020/8/14)

梅雨明け後、かなり厳しい暑さが続いています。

「危険な暑さ」という表現が使用され、熱中症への対策など連日報道されています。

また、スマホの防災速報でも熱中症情報が毎日流れています。

 

今年も厚生労働省ではクールワークキャンペーンが行われています。

東京労働局HPにおいても様々な情報発信が行われています。

ただこれらの情報は、コロナの流行前に作成されたものなので、

マスクの着脱など、コロナと熱中症の両方に配慮された内容ではありません。

 

以下の厚生労働省のHPには、

「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイントがまとめられています。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_coronanettyuu.html

 

マスクを外していると咎められるような風潮も散見されますが、

状況によっては必ずしもそうではないことがわかります。

 

両立することには難しさもあると思うのですが、いずれも身体生命に危険のあるものです。

業務上であれば労災に該当するものでもあります。

労働現場の皆様には十分ご注意いただきたいのはもちろんですが、

事業主の皆様にも、例年以上に積極的に取り組んでいただければと思います。

厚生年金保険における標準報酬月額の上限の改定(2020/8/8)

令和2年9月から厚生年金保険の標準報酬月額の上限が変更になり、引き上げられる予定です。

従前の標準報酬月額の上限等級である31等級の上に1等級が追加され、32等級が設定されます。

 

(改定前)

 31等級 標準報酬月額620,000円 (報酬月額605,000円以上)

 

(改定後)

 31等級 標準報酬月額620,000円 (報酬月額605,000円以上635,000円未満)

 32等級 標準報酬月額650,000円 (報酬月額635,000円以上)

 

この改定による特別な手続きは必要ありません。

改定後の新等級に該当する被保険者の方がいる対象の事業主等に対しては、

令和2年9月下旬以降に日本年金機構より「標準報酬改定通知書」が送られてくるようです。

 

詳しくは、下記のURLより厚生労働省のHPをご参照ください。

https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2020/202007/072002.html

 

該当の被保険者がいる場合には給与計算に影響します。

日本年金機構からの通知書が来てからだと少し慌ててしまいそうなスケジュール感なので、

事前に自社の被保険者を確認されておくことをお勧めします。

失業等給付に必要な「被保険者期間」の算定方法(2020/7/31)

離職日が令和2年8月1日以降の方について、

雇用保険の失業等給付に必要な「被保険者期間」の算定方法が変わります。

 

失業等給付の支給を受けるためには、一般的には、

離職をした日以前の2年間に「被保険者期間」が通算して12カ月以上あることが必要です。

ここでいう12カ月に算入できるかどうかには条件があり、その条件が以下のようになりました。

 

(変更前)

離職日から1カ月ごとに区切っていた期間に、

賃金支払いの基礎となる日数が11日以上ある月

を1カ月と計算

 

(変更後)

離職日から1カ月ごとに区切っていた期間に、

賃金支払いの基礎となる日数が11日以上ある月、

または、賃金支払いの基礎となった労働時間数が80時間以上ある月

を1カ月と計算

 

変更前は日数だけで被保険者期間に算入するかどうかを決めていましたが、

変更後は賃金支払基礎日数が10日以下であっても、

労働時間が80時間以上あれば被保険者期間に算入することになりました。

 

詳しくは、下記のURLより厚生労働省のHPをご参照ください。

https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000642296.pdf

令和2年度地域別最低賃金額改定の目安について(2020/7/27)

令和2年7月22日に、第57回中央最低賃金審議会が行われました。

厚生労働省のHPにおいて今年度の地域別最低賃金額改定の目安について答申が公表されています。

 

詳しくは、下記のURLより厚生労働省のHPをご参照ください。

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12604.html

 

報道にもありましたが、今年はコロナの影響により、

経営者側と労働者側の溝はなかなか埋まらず、交渉はかなり難航しました。

 

結局、中央最低賃金審議会としては、

地域別最低賃金額の引き上げ額の目安を示すことは困難であり、

現行水準を維持することが適当、という答申になっています。

 

この発表を受けて、事実上据え置きという報道がされましたが、

実際はまだ最終決定ではなく、この後に各地方最低賃金審議会において審議が行われ、

そのうえで各都道府県労働局長が最終的な地域別最低賃金額を決定することになります。

 

コロナの影響は深刻であり、雇用の維持は重要です。

一方で、コロナの感染リスクを背負いながら働いている方々の給与が上がらずに

生活に苦しむという状況も望ましいものではありません。

経済全体が下がっている中で、今回の答申は苦渋の決断だったろうと思います。

個人単位の通知書データを複数名単位の一覧表形式に変換する方法(2020/7/17)

昨年来、電子申請で社会保険の賞与支払届や算定基礎届を行うと、

その決定通知書が個人別に表示されるようになっています。

それまでは個人別ではなく、一覧表形式で表示されていたため、

その変更に戸惑いを感じる方も多かったのではないでしょうか。

 

この変更は、被保険者個人に決定内容を伝えやすくすることが目的ということですが、

人事労務担当者としては管理しにくくなったという意見もあります。

この意見に応えるためと思いますが、一部の決定通知書等が

一覧表形式で表示できる仕組みが日本年金機構より提供されています。

 

以下の日本年金機構のHPをご参照ください。

https://www.nenkin.go.jp/denshibenri/oshirase/zenpan/20200619.html

 

扱い方があまり一般的ではないように思われますので、

苦戦するかもしれませんが、一覧表形式になるのはやはり便利です。

 

ただし、特にご注意いただきたいのは、

ダウンロードした公文書ファイルをそのまま加工すると、

個人別の表示に戻せなくなる可能性があることです。

必ずバックアップを取ってから加工することをお勧めします。

7月10日になりました(2020/7/10)

労働社会保険では一つの区切りとなる7月10日となりました。

例年であれば、労働保険の年度更新、社会保険の算定基礎届の両方の期限なのですが、

今年はコロナの影響により労働保険の年度更新は8月31日まで延長されていますので、

この7月10日は、社会保険の算定基礎届のみが期限です。

 

先日、数年ぶりに労働基準監督署にて、年度更新受理業務を行ってきました。

一日で30件程度を受理したので、件数的には例年の半分程度かと思います。

上記の通り期限が延長されていることもありますし、

また窓口を避けて、郵送や電子申請で手続きをされた方も多いのではないかと推測します。

 

今年は、雇用調整助成金が注目されていますが

この雇用調整助成金の原資となるのは、基本的には雇用保険料です。

また離職された方も多いと思いますが、

離職された際に給付される基本手当(いわゆる失業手当)の原資も雇用保険料です。

 

そして雇用保険料は、労働保険料として労災保険料と合わせて徴収されます。

その手続きが、年度更新です。

 

手間やコストがかかることは、避けたくなってしまうところかもしれませんが、

年度更新は労働者が安心して働く環境を作るための、重要な手続きの一つです。

算定基礎届も同様です。

ぜひ適正手続きをお願いいたします。

新型コロナに関する標準報酬月額の特例改正(2020/7/3)

新型コロナウイルス感染症の影響による休業で報酬が著しく下がった方について、

一定の条件に該当する場合は、事業主からの届出により、

社会保険の標準報酬月額を、通常の随時改定(4か月目に改定)によらず、

翌月から改定可能とする特例が出されました。

 

そもそもなのですが。

一時帰休による、通常の報酬よりも低額な休業手当の支給は、

随時改定の契機となる「固定的賃金の変動」に該当します。

 

そのため、コロナによって低額な休業手当が支給されることも「固定的賃金の変動」に該当し、

その低額な休業手当の支払いが継続して3カ月を超える場合で、

標準報酬に2等級以上の差が生じていれば、随時改定の対象となります。

 

今回の特例は、その条件のうち、

低額な休業手当の支払いが継続して3カ月を超えなくても、

翌月から改定可能とするというものです。

 

この特例では、標準報酬が下がることによる被保険者への給付の低下という側面もあるので、

被保険者の書面による同意が必要となっています。

また、遡っての適用が見込まれるため、被保険者に対する社会保険料の還付や、

休業が回復した場合の届出など、注意を要する部分があるのでお気を付けください。

 

詳細は日本年期機構の以下のHPよりご確認ください。

https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2020/0625.html

算定基礎届における休業手当の扱い(2020/6/26)

すでに皆様のお手元に算定基礎届の書類が届いていることと思います。

今年はコロナの影響で準備も大変ではないかと想像します。

 

さて、このコロナ禍において、休業を余儀なくされた事業所も多く、

通常の給与よりも低額の休業手当を支払った会社様も多いのではないかと思います。

この場合、算定基礎届の記載に当たっては注意が必要です。

 

算定対象期間のうちに、通常の給与よりも低額の休業手当等を支払った月がある場合、

まず7月1日時点で休業の状況が解消しているかどうかを判断する必要があります。

 

休業が解消していない場合は、休業手当等が支払われた月のみで算定するのではなく、

通常の給与を受けた月も併せて、報酬月額を算出することになります。

一方、休業が解消している場合は、休業手当を含まない月のみを対象とし、

休業手当を含む月は除外して報酬月額を算出します。

 

詳細は以下の日本年金機構のHPに掲載されいている

算定基礎届の記入・提出ガイドブック(令和2年度)や

標準報酬月額の定時決定及び随時改定の事務取扱いに関する事例集をご参照ください。

https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2020/202005/0520.html

 

上記ガイドブックや事例集では、

「一時帰休による休業手当等」との表現になっていますが、

あまり一時帰休という言葉に惑わされずにご参照ください。

 

また、個別の事情により様々なケースが想定されますので、

ガイドブック等では判断しかねることもあるかもしれません。

不明なことは年金事務所にご確認いただくことをお勧めします。

新型コロナウイルスの抗体検査(2020/6/19)

新型コロナウイルスの抗体検査を実施しました。

検査結果は陰性であり、弊所職員においては、

過去現在ともに新型コロナウイルスに感染してはいないと考えられるとのことでした。

 

検査自体は非常に簡単で、少量の採血をして、10分〜20分程度で結果が出ました。

その後、検査結果について医師から説明を受けることもでき、検査料は6,000円でした。

 

よく報道されていることでもありますが、

抗体検査は現時点では確実なものとは言えず、偽陽性または偽陰性の可能性があること。

また、陽性反応が示された場合であっても、

再度新型コロナウイルスに感染しないとは言えない、などのデメリットはあるようです。

 

しかしながら、手軽にPCR検査を受けることができない現状で、

精度が高くないとはいえ検査を受けることで、一定の安心感につながったことは間違いありません。

今後人に会う機会がある場合にも、説明をすることができますので、

自分だけでなく、周囲にもある程度の安心感を持っていただけるものと思います。

 

さらに、今回検査をお願いしたクリニックでは、

陽性反応が出た場合には、地域の保健所に連絡していただけるとのことでしたので、

誰にも相談できずに困るという事態も避けられそうです。

 

検査結果が絶対ではないということはしっかりと念頭に置きながら、

継続的に検査を受けることによって、

公私ともにある程度の安心感が得られ、かつ万一の備えにつながりそうです。

第2次補正予算の成立(2020/6/12)

令和2年6月12日、新型コロナウイルス感染症に対応するための第2次補正予算が成立しました。

 

追加の歳出が一般会計の総額で31兆9114億円と、

補正予算としては過去最大であり、財源はすべて国債で賄うということです。

よく報道されている予備費の10兆円は、総額の約3分の1に相当し、

いかに大きな金額であるかがわかります。

 

今後の第2波、第3波に備える必要がありますし、

第1次補正予算では対象ではなかった方々にも支援を拡充するため、

補正予算が極めて大きな額になることは理解できます。

 

ただ国債といえばつまりは借金です。

必要なところに迅速に支援を届けることを、ぜひ実現してもらいたいと思います。

 

予算審議の中で取り上げられた持続化給付金の構造については、大変残念でなりません。

特別定額給付金や雇用調整助成金の混乱も、非常に残念です。

お金をいくら用意しても、それが流れる仕組みがなければ意味がないので、

ぜひ構造的な問題の解消に努めていただければと考えます。

 

また一方で、行政の施策はあくまで一時的なものであり、

やはり抜本的には経済活動に活気が戻ることが必要です。

前向きにコロナと共存した生活を考えないといけないのだと思います。

 

弊所では、直接お会いしなくても業務が行えることから、

緊急事態宣言が解除されても、なおまだ外出を控えています。

一部のお客様とはネット上での打ち合わせも実現できているので、

お客様のご要望に合わせながら、業務を遂行したいと思います。

令和2年度の算定基礎届の提出期限(2020/6/5)

社会保険の令和2年度の算定基礎届(定時決定)について、

提出期限は例年通りの7月10日(金)とのことです。

労働保険の年度更新は延長されましたが、こちらの期限は変更されませんでした。

(ただし7月10日以降も受付するとのことです。)

 

詳細は日本年期機構の以下のHPよりご確認ください。

https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2020/202005/0520.html

 

算定基礎届の案内は6月下旬から順次発送されるとのことですが、

今年度は例年にも増して事前準備が肝要になるかと思います。

上記URLにおいて、事務説明動画やガイドブック等のリンクもありますのでご参照ください。

 

ところで、労働保険の年度更新の案内が、そろそろ皆様の手元に届いているようです。

今年度の年度更新期間は、令和2年8月31日までに延長されていますが、

年度更新の案内には印刷が間に合わなかったようで、

例年通りの7月10日までと記載されていますのでご注意ください。

労働保険料等の口座振替の納付日変更(2020/5/29)

2020/5/9のブログにて、労働保険の年度更新期間の延長について記載しました。

これに伴い、労働保険料等を口座振替で納付している場合の

全期・第1期の口座振替納付日が変更になりました。

 

変更後の口座振替の納付日は以下の通りです。

 全期・第1期:令和2年10月13日

 第2期:令和2年11月16日 (変更なし)

 第3期:令和3年2月15日 (変更なし)

 (変更前の全期・第1期の口座振替の納付日は、令和2年9月7日でした。)

 

全期・第1期の口座振替の納付日がひと月以上遅くなりました。

一方で第2期及び第3期の納付日は変更ないことから、

第1期と第2期の間隔がひと月ほどに短くなっています。

 

詳細は厚生労働省の以下のURLにてPDFファイルをご参照ください。

https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000633472.pdf

 

なお、口座振替でなく、納付書による納付を行っている場合の全期・第1期の納付期限は、

延長された労働保険の申告期限と同じく、令和2年8月31日となっています。

 

これらは何らかの手続きをして延長されるものではなく、すべての事業所に適用されます。

例年と異なるタイミングになりますので、ご注意ください。

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東京都千代田区九段南3-8-11 飛栄九段ビル1001

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定休日

土日祝日