年始のご挨拶(2015/1/4)

皆さま、明けましておめでとうございます。

 

さて、年末年始を過ごす中で、2015年の方針を考えました。

 「コンプライアンス遵守」

当然のことですね。

しかし、現実にコンプライアンス遵守を実現することは、容易なことではありません。

 

これまで企業の方々や士業の方々から、様々なお話しを見聞きしました。

その中で改めて思ったのは、労働社会保険諸法令を守ることが、

結果的にその企業や経営者、またそこで働く方々の利益になるのではないかということです。

 

もちろん、法律が絶対正義ではないでしょう。

ただ、私たち社労士ができるサービスは何かと言えば、労働社会保険諸法令の遵守なのだろうと思います。

それこそが、私たち社労士の、社会への関わり方なのではないかと思います。

 

目先を考えれば、法律に背く行為は魅力あるものにも見えます。

そういったご要望があるのも事実です。

しかし、それはつまり、そこに社労士のニーズは無い、ということなのでしょう。

 

今後、少子高齢化により、人材確保が非常に困難な時代が来ます。

守るべきものを守り、企業業績を継続的に向上させたいとお考えの経営者の方は多くいらっしゃいます。

そういうニーズに対してこそ、微力ではありますが、お力添えをしたいと願っています。

 

今後とも、少しでも皆さまのお役に立てるよう努力していきたいと思います。

本年もよろしくお願いいたします。

年末のご挨拶(2014/12/29)

今年も一年、当ブログをご覧いただき、ありがとうございました。

 

今年のブログを振り返り、改めて労働力不足の傾向を感じました。

少子高齢化に伴い、労働力人口は今後ますます減少します。

これは想定しているよりも、喫緊の課題ではないかと思います。

優秀な人材は早い者勝ちになり、その仕組みの構築が企業業績に大きく反映されます。

 

「人が欲しい」という声をよく聞きます。

しかし、もはや場当たり的な中途採用ではニーズを満たせず、

今後は、自社で育てる、出産・育児後の女性の活用、高齢者の再雇用など、

人に関する周到な計画性が必要になってくるでしょう。

 

また、労働トラブルや社会保険事務についてのブログも多くありました。

労働社会保険諸法令は、年を経るごとに複雑化し、対応が難しくなっています。

社会保険労務士として、さらに努力していく必要性を感じました。

 

来年も微力ながら、地に足をつけてやっていきたいと思います。

今後ともご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

政労使会議(2014/12/22)

衆議院選挙が自民党の勝利で終わった、その直後の週明け。

12月16日に政労使会議が行われました。

 

昨年は、この政労使会議で安倍総理が経済界に対し賃上げを求め、

それに対する直接的な回答かはともかく、春闘では多くの企業で賃金が上がる傾向にありました。

今年も政労使会議では、経済の好循環を実現するため、賃上げの要請がなされています。

 

議事次第では、以下の項目について、政労使が一致協力して取り組むとの認識に至ったとのことです。

 

1.昨年の政労使会議で取りまとめた取り組みの継続

 ①賃金上昇に向けた取組

 ②中小企業・小規模事業者に関する取組

 ③非正規雇用労働者のキャリアアップ・処遇改善に向けた取組

 ④生産性の向上と人材の育成に向けた取組を継続するとともに、フォローアップを今後も行っていく

2.賃金上昇等による継続的な好循環の確立

3.賃金体系の在り方

4.サービス業等の生産性向上

5.休み方・働き方改革

6.プロフェッショナルの人材還流円滑化

7.女性が働きやすい制度等への見直し

8.本取りまとめにかかわるフォローアップ

 

消費税増税は延期されたものの、景気条項は排除され、財政再建のためにも増税は必至です。

景気回復には、やはり国民全体の所得が上がる必要があると思います。

それが引いては、企業業績の回復又はさらなる向上につながると考えます。

 

なお、この政労使会議は、今回で一応終了のようです。

民民の関係に政府が介入しているとの批判もありました(官製春闘などとも表現されました)が、

話し合いの場があること自体は大切なことかなと思います。

何らかの形で議論が継続されることを期待しています。

第47回衆議院選挙(2014/12/15)

昨日(12/14)、第47回衆議院選挙が行われました。

結果、与党が2/3を超える議席数を獲得し、与党の勝利となりました。

 

まずは、安倍政権の実績が評価されたということなのでしょう。

ただ、他に入れるところが無いから、消去法で自民に投票するかなあ、と言っている人もいました。

野党側が候補者をうまく擁立することができず、与党批判の受け皿になりきれなかったことで、

二大政党制のための小選挙区制を有効に活用できなかったのが大きかった気がします。

 

また、与党の勝利ということ以外で、興味深かったのは以下のような点でした。

・戦後最低の投票率(推定52%前後)

・野党第一党の党首落選

・共産党の躍進(21議席)

 

特に投票率の低下は、とても残念です。

確かに、今回解散に当たって、選挙の意義を疑問視する声が多くありました。

ただ、意見を表せる場があるのに使わないというのは、至極もったいないことだと思います。

低投票率の下では、組織票を持つ政党が強いと言われます。

それが今回の選挙にも出たのだろうなと感じます。

 

ともあれ、与党の圧勝によって、今後アベノミクスと言われる諸政策が強く進められるでしょう。

それが国民生活の向上につながることを期待します。

消費税増税延期の年金制度への影響(2014/12/7)

選挙が1週間後に迫った日曜日ということで、寒い中、街頭演説を行っていました。

 

どの政党も消費税増税の延期(政党によっては廃止)は既定路線のようです。

選挙戦の中でも報道されていますが、年金制度においては以下の2点が主に影響を受けそうです。

①国民年金の受給資格期間の短縮

②年金生活者支援給付金の支給

 

概要として、①は、国民年金を受給するためには、現在、受給資格期間が25年(300月)必要なのですが、

それを10年(120月)に短縮することで、無年金者を減らそうというものです。

②は、一定の所得を下回る年金生活者の方に、最大で月5,000円の給付金を支給しようというものです。

①に必要な財源は約400億円、②に必要な財源は約5,600億円とされています。

ともに消費税の増税分を財源としていたため、増税延期によって、その財源確保が難しくなっています。

 

この2つの政策がどうなるか、公式にはまだ定まっていないようです。

一部では、延期になったと記載されているHPなどもありますが、

それは消費税の10%への増税とセットであるとの認識の下、そのように記載しているものと思われます。

受給資格期間がわずかに足りなくて無年金者の方や、低所得の年金生活者の方には、

この2つの政策の延期はとても厳しいものであろうと推測します。

 

解散話が浮上してきた当初、それでも消費増税は必要なんだ、と訴える政党は無いのかなと見ていました。

平成27年10月まで、あと約1年で景気は良くなるんだと主張する政党は無いのかと。

現在、残念ながらそういった政党は無いようです。

 

どこに投票するか、あと1週間、慎重に検討したいと思います。

3大都市圏の平均時給が過去最高に(2014/11/30)

明日から師走です。

12月は通常業務に加えて、年末特有の業務が加わってきます。

体調にはくれぐれもご留意ください。

 

さて、求人情報大手のリクルートジョブズが調べたところによると、

3大都市圏(首都圏、東海、関西)で、10月に募集のあったアルバイトやパートの平均時給が961円となり、

これまで最高だった2013年12月の959円を上回って、過去最高となったとのことです。

(同社は3大都市圏などで、2006年1月から調べているそうです。)

 

人手不足が、時給に反映されてきているということでしょう。

年末に向けて労働力需要は増えることが予想されますので、さらに上がるのかもしれません。

実際に、閉店したお店の店頭で「店員が確保できないため閉店します」

という旨の貼り紙があるのを見かけました。

 

一方では、働きたくても働けない環境にある方もいて、

この需給のギャップはどうにか埋まらないものなのかと思ってしまいます。

働き方の問題は、ますます重要になりつつあると感じます。

 

また、労働者というだけではなく、起業する人が増えてくるといいのにな、とも考えます。

経済にも新陳代謝が必要であり、それが雇用を生み出し、支えていくことになります。

それはつまり、規制改革だったり、セーフティネットの議論になっていくのでしょう。

 

やっぱり、選挙を大事にしたいなと改めて感じます。

第3回政労使会議(2014/11/24)

衆議院の解散が決定し、12月14日に投開票となりました。

 

政府は11月19日に、賃上げや雇用問題を協議する政労使会議の第3回会合を開きました。

政府側は経済の好循環実現のため、2年連続となる賃上げを要請し、

経営側は業績の好調な企業を中心に、賃上げを前向きに検討すると表明したとのことです。

 

今年の春闘は、アベノミクス効果による昨年来の景気回復を受け、

阿部総理が経済界に対し強く賃上げを要求したことから、官製春闘とも報じられました。

その結果、統計上は賃金が上昇したということになったようですが、

報道を見たり、身の回りの環境を鑑みるに、実感はなかなか伴っていません。

 

政府から言われたから賃金を上げます、という状況だけでは、

全体がそれを実感するには至らないということなのだろうと思います。

企業業績が向上したから賃上げをする、という順番はもちろん大事だと思うのですが、

賃上げが企業業績を向上させるという意識があってこそ、賃金が上がるような気がします。

 

今回の衆議院選挙の結果、どうなることが国民生活の向上につながるのか。

ひいては自分の生活の向上につながるのか。

誰に、どの政党に、投票するのか、熟慮したいと思います。

就職内定率と離職率(2014/11/17)

衆議院解散の話が出ています。

ちょっと唐突な印象を受けているのですが、皆さまはいかがでしょうか。

 

さて、就職や離職についてのいくつかの指標が出ていたのでご紹介します。

 

来年3月卒業予定の大学生の10/1時点での就職内定率が発表されていました。

過去最低だった平成22年度から4年連続で上昇し、就職内定率は68.4%(前年同期比4.1ポイント増)。

厚生労働省は「景気回復を受け企業の人手不足感が高まっている。

学生の選択肢も増え、売り手市場になっている」と分析しているそうです。

 

また、来春卒業する高校生の就職内定率は54.4%(9月末現在)(前年同期比8.8ポイント増)で、

こちらも17年ぶりの高水準とのことです。

 

一方で、2011年3月の大学新卒者が3年以内に離職した率は前年より1.4ポイント増の32.4%、

短大卒は同1.3ポイント増の41.2%、高校卒も同0.4ポイント増の39.6%となっています。

 

就職も多くなってきているが、離職も多くなってきている、という傾向。

企業としては人材確保に対する危機感から、学生としては就職に対する不安から、

雇用のミスマッチが多くなりつつあるのかな、という印象を受けました。

 

少子高齢化社会の進展の中で、若年層は確実に減少していきます。

若年層をどのように確保していくのか、若年層以外をどのように活用していくのか。

労働力の確保は、企業の重要な課題になると思います。

過重労働解消キャンペーン(2014/11/9)

厚生労働省は、この11月に「過重労働解消キャンペーン」を実施しています。

 

実施期間は、平成26年11月1日(土)から11月30日(日)までの1か月間です。

主な実施事項は以下のように示されています。

 1.労使の主体的な取り組みを促します

 2.重点監督を実施します

 3.電話相談を実施します

 4.周知・啓発を実施します

 5.企業における自主的な過重労働防止対策を推進します

 

11月4日には、ステーキ店店長の過労自殺問題について、

東京地裁が企業に対し、長時間労働とパワハラが原因であるとし、約5790万円の支払いを命じました。

当判決では、自殺した本人に過失は無いとし、賠償額の過失相殺を行いませんでした。

全般的に企業側の姿勢を強く批判する内容になっているようです。

 

これを機会に、従業員の皆さんの労働時間を確認してみてはいかがでしょうか。

 

話しは変わりますが、ある知人が飲みの席で「自分は今の会社で働いていたい」と言っていました。

職業柄どうしても労務トラブルをよく耳にするので、そのような話がとても嬉しくなりました。

そういう会社が増えていけばいいなと切に願います。

また、そういう会社をサポートしていけたら幸せだなと思いました。

年末調整関係資料の配布(2014/11/3)

11月に入りました。

各企業様には年末調整関係の資料が届き始めていることと思います。

 

企業規模にもよりますが、そろそろ年末調整関係の申告書を社内で配布する時期だと思います。

近隣の税務署ではすでに配付用の申告書が置かれていました。

来週には年末調整の説明会が開かれるようなので、当事務所でも参加したいと考えています。

 

年末調整も事前準備が大切だと思います。

年賀状の販売も始まりました。

そろそろ年末年始に向けたスケジューリングをしなければと考えています。

 

話しは変わるのですが、先週再び「たかの友梨」に関する報道がされていました。

今回はマタハラに関する訴訟が東京地裁に起こされたということです。

マタハラについては、先日最高裁の初の判断が下され、世間的にも関心の高いタイミングだと思います。

 

立て続けに労務に関する話題が取り上げられているこの状況。

しかも女性の労働がクローズアップされている社会環境です。

どのように対処していくのか、非常に経営力の問われる場面だと思います。

マタハラ訴訟の最高裁判決(2014/10/26)

10月23日、マタニティ・ハラスメント訴訟に対する最高裁判決が出され、

原判決破棄、広島高等裁判所に差し戻しとなりました。

 

今回の訴訟は、広島市の女性が提起したものであり、

妊娠を理由に管理職から降格させられたのは、男女雇用機会均等法に違反するという内容です。

一審では、勤務先は女性の同意を得たうえで、事業主としての必要性に基づき、

裁量権の範囲内で行ったとして請求を棄却しており、二審でも一審判決を支持していました。

しかし、最高裁判所では、一審・二審とは異なる判断をしたということになります。

 

実は、当ブログの2013年11月4日の記事でマタニティ・ハラスメントの内容を記載しており、

ついに最高裁判所での判断が出るまでになったのだなと思うところでした。

 

実態としては、より多くの事例が潜在していると考えられます。

今回、最高裁判所が判断を下し、大きく報道されました。

また、阿部首相は女性の労働について、積極的に発言をされています。

マタニティ・ハラスメントは、今後とも注目すべきテーマの一つなのだろうと思います。

祝日と祭日(2014/10/19)

ちょっとしたことなのですが、常々気になっていることがあります。

求人募集などで休日欄に「祝祭日」という記載を目にします。

就業規則の休日の規定にも「祝祭日」と書かれているものがあります。

 

祝日と祭日は異なるものです。

祝日は「国民の祝日に関する法律」で法的に定められています。

一方で祭日は法的な根拠は無く、例えば大辞林(第三版)の解説では以下のように記載されていました。

 

 ①「国民の祝日」の通称。

 ②皇室で祭典のある日。大祭日と小祭日とがある。

 ③神社などで祭礼のある日。

 ④神道で、死者の霊をまつる日。

 

労働問題において、この表現でトラブルになったという話は聞いたことがありませんが、

少し気を使ってもいいところなのではないかなというように思います。

 

なお、厚生労働省のHPにあるモデル就業規則を確認してみたところ、

当該部分の記載は「国民の祝日(日曜日と重なったときは翌日)」となっていました。

平成25年の定期監督等概要(2014/10/13)

平成25年の東京労働局の管下18労働基準監督署(支署)が実施した定期監督等について、

以下のようなデータが公表されています。

 

1.実施件数と法違反件数

実 施 件 数: 9,304件(前年比3.8%(340件)増加)

違反事業場数: 6,612件(前年比2.1%(138件)増加)

違  反  率: 71.1%(前年比1.2ポイント減少)

 

2.定期監督等における労働基準法に関する主要な法違反    

 

15条

労働条件明示

24条

賃金不払

32条

労働時間

35条

休  日

37条

割増賃金

89条

就業規則

108条

賃金台帳

平成24年 1,224 520 2,337 149 1,749 1,303 837
平成25年 1,473 475 2,623 146 2,047 1,291 975
前年比 +249 ▲45 +286 ▲3 +298 ▲12 +138

3.送検事例

東京地方検察庁への送検  :58件(前年比4件減少)

 

今後については、以下のような指導方針が掲げられています。

「今後とも、労働条件をめぐる問題点を的確に把握しつつ、効果的な監督指導を実施するとともに、法令違反を繰り返すなど悪質な事業主については、司法処分に付すなど厳正に対処することとしています。」

 

平成25年には、「ブラック企業」という言葉が流行語大賞のトップ10に入り、

厚生労働省としても「若者の使い捨てが疑われる企業等」への重点監督などが行われました。

 

その結果が反映されたものと思われますが、

労働時間、割増賃金、労働条件明示および賃金台帳といった項目で、前年比で増加しています。

今年もその取り組みは継続しています。

今後とも、労働環境の改善に取り組んでいただければと思います。

リーダーシップの功罪(2014/10/6)

昨日、JRの駅構内で最低賃金のポスターを見つけました。

いつも行政関係の場所に掲示されていて、こんなところに貼ってなかったような気がします。

少しは予算をかけるようになったのかな、と余計なことを考えてしまいました。

多くの人の目に触れるということは大事なことだと思います。

 

さて、先週はすき屋(ゼンショーホールディングス)や

たかの友梨(不二ビューティ)の問題に動きがありました。

 

すき屋については、深夜の1人勤務を9月末までに解消すると表明していましたが、

その人手が確保できず、約1200店で主に午前0時〜午前5時の深夜営業を休止するというもの。

たかの友梨については、組合員・従業員に対する高野社長の謝罪がプレスリリースされたものの、

それについてエステ・ユニオンが反論するといったものでした。

 

この2つの問題は、内容等は全く異なるものですが、どちらも世間の大きな関心を集めています。

いずれも組織のトップの強いリーダーシップのもとで成長し、

その影響が組織の末端に表れた一つの帰結なのかなと思います。

 

もちろん、このような問題を発生させないことが大切です。

なぜ、このような問題が起きてしまったのか。

そして、今後どのような経緯を辿るのか。

継続的な報道を期待したいと思います。

年功賃金廃止の報道(2014/9/28)

先日、日立製作所の年功賃金の廃止が報道されていました。

廃止とはいっても、その対象は課長相当職以上の約1万1000人で、本社の社員数の約3分の1とのこと。

新制度では、勤続年数や年齢に関わらず、ポストや成果に応じて月給が決まるということです。

またこれに合わせて、他のグローバル企業の賃金体系についても報道されていました。

 

個人的な感想としては、なぜ今更それが報道されているのかが不思議でした。

日本的経営の三種の神器と言われた企業別組合、終身雇用、年功制は崩壊したと言われて久しく、

その内容が決して目新しいものには思えなかったためです。

 

ただ逆に言えば、年功制という仕組みがまだ現役で稼働していることを再認識しました。

長い期間を経て構築された仕組みには、やはり相応の合理性もあるのでしょう。

また、人事制度の変更には経過措置の実施など少なからずコストがかかります。

さらに、労働条件の不利益変更の問題も絡んできます。

意識として年功制が崩壊していたとしても、現実の対応は一筋縄ではいかないのでしょう。

 

給料設定は事業主様が頭を悩ませることの一つです。

当事務所が関与させていただいている中小企業様では、大企業とは違った現実もありますが、

上記のような動きも、今後の経済環境に合わせた雇用調整の中で反映されてくるのだろうと思います。

社会保険料の変更について(2014/9/22)

今年も社会保険料の金額が変わる時期が近づいてきました。

給与計算に慣れていない方にはご注意いただきたい時期です。

 

1つには、厚生年金保険の保険料率が変わります。

厚生年金保険料率は、将来の保険料水準を固定したうえで、

給付水準を調整する仕組みである「保険料水準固定方式」が導入されています。

平成26年9月分(10月納付分)は一般被保険者で17.474%(折半8.737%)となります。

これは、平成29年9月分に18.3%で固定されるまで毎年段階的に引き上げられます。

 

また、算定基礎届によって決定された標準報酬も9月分(10月納付分)から適用になります。

事務処理の関係で8月後半に決定通知が送られてくるケースもありましたが、

もし、いまだにお手元に決定通知が来ていないようであれば、確認したほうが良いと思います。

(まだ来ていないというところがあったもので。)

 

まだ9月支給の給与計算が終わっていないところもあるでしょう。

10月支給の給与計算のことを考えるには少し早いと思われるかもしれません。

ただ、給与計算ソフトの設定や社会保険料の項目を修正する必要が出てくると思われます。

ソフトによって作業方法やタイミングも異なると思いますし、場合によっては意外に手間です。

少し早目にご確認いただくと、作業を効率的に行うことができるのではないかと思います。

セミナーを終えて(2014/9/16)

9/9(火)にセミナー講師をさせていただきました。

平日昼間という業務中の時間帯にも関わらずご参加いただき、誠にありがとうございました。

 

今回のセミナーでは ”「働く」を考える〜雇用契約・就業規則〜” というテーマでお話をさせていただきました。

雇用契約・就業規則という非常に広いテーマであり、

時間の制約がある中でのお話でしたので、考え方や一般論をお話しさせていただきました。

 

終了後のアンケートからは、全体的にはご好評をいただけたように思います。

ただ、概念的な話だけではなく、具体的な注意点等のご要望もあり、

内容構成もより工夫していく必要があるなと感じた次第です。

今後の活動の参考にさせていただきたいと思います。

 

ありがとうございました。

縮小P1230019.JPG

ブラック企業大賞2014(2014/9/7)

9/6(土)に、第3回となるブラック企業大賞の授賞式が開催されました。

 

今回の大賞・各賞は以下の通りでした。

  • ブラック企業大賞:株式会社ヤマダ電機
  • WEB投票賞:株式会社ヤマダ電機
  • 業界賞(アニメ業界):株式会社A-1Pictures
  • 業界賞(エステ業界):株式会社不二ビューティ(たかの友梨ビューティクリニック)
  • 特別賞:東京都議会
  • 要努力賞:株式会社ゼンショーホールディングス(すき家)
  •  

「たかの友梨ビューティクリニック」と「すき家」については、7/30のノミネート企業には入っていませんでした。

しかし、その緊急性と重要性から追加でノミネートされたとのことです。

9/2という、発表まで数日の段階での追加でありながらの受賞で、その注目度の高さが伺われます。

また、今年も多くの投票がなされていました。

ブラック企業というものに対する社会の関心の高さが表れているように感じました。

 

さて、繰り返し告知させていただいてきましたが、9/9(火)にセミナーが開催されます。

雇用契約や就業規則について、入り口としてのお話をさせていただく予定です。

まだ席には余裕があるようですので、よろしければご参加ください。

 

セミナー詳細はトップページにてお知らせいたしております。

地域別最低賃金の改定額答申(2014/8/31)

平成26年10月からの全都道府県の地域別最低賃金の改定額が答申されました。

全国加重平均額は780円(現在764円)となっています。

今回の改定で、全都道府県での生活保護水準との乖離が解消されるとのことです。

 

例えば、東京都の答申最低賃金時間額は「888円」となっています。

現在の最低賃金時間額は「869円」なので、19円の引き上げとなります。

(なお、発行予定年月日は平成26年10月1日です。)

昨年は「850円」から「869円」の引き上げでしたので、2年連続で19円の引き上げになりそうです。

900円という数字が見えてきたような印象です。

 

平成26年10月からの発行となりますので、少し先ではありますが、

給料計算実務や人件費の予測などにおいては、ご留意ください。

 

さて、セミナーが近づいてまいりました。

内容としては、税理士の翏橋伸夫先生が、「ここは見てほしい!決算書の勘所」を、

そして、当事務所の小林が、「働くを考える〜雇用契約・就業規則〜」を担当させていただきます。

事業経営の基礎部分を見直す良い機会にしていただけるのではないかと思います。

よろしければ、ご参加ください。

 

セミナー詳細はトップページにてお知らせいたしております。

是非ご一読ください。

知らない、ということ(2014/8/24)

ここ半年、労使トラブルのご相談を受けたり、お話を耳にすることが多くありました。

たまたま業務の巡り合せによるものだったのかもしれませんし、

実際に景気の回復に伴って労働者の立場が強くなり、トラブルが表面化してきたのかもしれません。

 

人材不足による中小企業の倒産が増えたという報道もなされています。

当ブログでも、人件費の上昇や採用が困難になっていることを記載してきました。

今後、事業継続のため、これまで以上に労働環境の整備に配慮していく必要があると思われます。

 

中小企業でも、業績が回復してくれば労働環境の改善に着手できると思うのですが、

残念ながらまだ多くの中小企業では景気回復を実感することができず、

その一方で大企業では人材の確保を進めている、という状況なのかなと想像しています。

ある意味、日本全体の景気が悪い時期よりも、企業格差が表れる局面なのかもしれません。

 

トラブルになるケースにはいろいろなパターンがあると思います。

「知らなかった」というだけのことがトラブルに発展してしまうこともあります。

故意ではないことを理解できるところもあるのですが、

「知らなかった」では済まされないことも往々にしてあるのです。

 

「知っている」ということは、それ自体が価値あるものです。

それについては、微力ではありますが、お手伝いできることがあると考えています。

情報をどのように発信していくか、今後とも試行錯誤していきたいと思います。

お気軽に
お問合せください

<受付時間>
10:00~18:00
※土日祝日は除く

ヤマシタヤ
社会保険労務士事務所

住所

〒102-0074 
東京都千代田区九段南3-8-11 飛栄九段ビル1001

受付時間

10:00~18:00

定休日

土日祝日