令和4年STOP!熱中症クールワークキャンペーン(2022/5/13)

東京でも、すでに何度か夏日がありました。

この時期は湿度がまだ高くないので晴れれば気持ちがいいのですが、気温は上がりつつあります。

今年も厚生労働省ではクールワークキャンペーンを実施し、熱中症の予防対策を図っています。

 

詳しくは、下記のURLより厚生労働省のHPをご参照ください。

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24043.html

 

熱中症による死傷者数の月別の状況を見ると、8月及び7月が多くなっています。

次いで6月や9月となり、5月の発生件数は僅かです。

それでも死亡につながるケースもあったようです。

 

上記クールワークキャンペーンの期間は5月から9月となっています。

ほぼ半年にわたる長さで、始まりもちょっと早いかなという感覚もありますが、

少しずつ暑さになれていくことが肝要かもしれません。

 

以下のサイトでは「職場における熱中症予防情報」として、各種情報提供が行われています。

https://neccyusho.mhlw.go.jp/

 

今年の夏は全国的に気温が高くなるとの予想も出ています。

コロナの感染状況は減少傾向にあったところ、GWの影響か、新規感染者に増加の傾向が見られ、

マスクの着脱や換気など、迷うこともありそうです。

 

健康であることが大切です。

コロナも、熱中症も、ご注意ください。

こども基本法の国会提出(2022/5/6)

5月5日はこどもの日でした。

この4月、こどもの権利について総合的に規定した「こども基本法」が国会に提出されました。

 

社会保険労務士の扱う法律ではないので、正確に知るところではありませんが、

報道で、虐待、いじめ、不登校などのニュースを見聞きすると胸が痛みます。

こういった環境から生まれる歪んだ考え方を持ったまま大人になるとすれば、

それは各種のハラスメントや労働問題にもつながるような気がします。

 

国際的には子どもの権利条約というものがあり、

そこでは以下の4つの原則が定められているそうです。(日本ユニセフ協会HPを参照しました)

・生命、生存及び発達に対する権利(命を守られ成長できること)

・子どもの最善の利益(子どもにとって最もよいこと)

・子どもの意見の尊重(意見を表明し参加できること)

・差別の禁止(差別のないこと)

 

また、この条約の定める権利には、大きく分けると以下のようなものがあります。

・生きる権利

・育つ権利

・守られる権利

・参加する権利

 

やはり、ほぼそのまま大人にも当てはまりそうな気がします。

大切に育てられた子どもは、健やかな社会を築いてくれるのではないでしょうか。

人間関係は難しく、純粋無垢に育つことは現実的ではないかもしれませんが、

少しでもそれが期待できる社会に近づくことを願っています。

遊覧船の事故(2022/4/29)

北海道知床での大変痛ましい遊覧船事故が注目を集めています。

ルール、設備、従業員の質、一つ一つの判断など、

時間が経つにつれてそのずさんさが明らかになってきています。

 

ご遺族を筆頭に当事者の皆さまはもちろんのこと、

3年ぶりに緊急事態宣言も重点措置もないゴールデンウイークを直後に控え、

久しぶりに休暇を楽しもうとしていた方々や全国の観光業や運送業の方々にも

衝撃が大きかったのではないでしょうか。

 

遊覧船が出航する判断基準を追求する一環で、安全管理規定が報道されています。

国土交通省管轄のルールのようですので専門的なところは分かりません。

ただやはり公に求められる規定は、当然ながらその必要があるから求められるものです。

建前として存在すればそれでよいというわけにはいきません。

 

社労士事務所として言えば、思い当たるのは就業規則です。

就業規則はあるけれど、実態とは乖離しているということはよくあります。

就業規則は従業員の生活に直結するルールであり、

その中には、健康や安全衛生といったより直接的に身体生命に関するものもあります。

 

報道を見ていると、遊覧船会社の社長は安全管理規定を説明できておらず、

規定内容も納得を得られるようなものではないようです。

皆さまはいかがでしょう。

安全管理規定でも就業規則でも、ご自身の会社のルールを説明することはできますでしょうか。

 

遊覧船の事故でしたので、遊覧船の業者の皆さまは身に迫るところだと思いますが、

ルールを守るという観点で言えば、あらゆる事業者に当てはまります。

こういった機会に、ルールや約束事を点検してみてはいかがでしょうか。

令和4年度労働保険年度更新の申告書の書き方(2022/4/22)

「令和4年度 労働保険年度更新の申告書の書き方」が厚生労働省HPに掲載されています。

申告書は5月末頃の発送予定となっていますので、追って皆様の事業所に届きます。

ここでは継続事業用の年度更新について記載していきます。

 

今回の年度更新の特徴は、雇用保険料率が半年で変わることです。

年度更新の申告書様式はどうなるのかと関心を持っていたのですが、

様式自体は変わることなく、その前段階の集計の部分で半年分に分けるようになっています。

 

まず令和3年度の確定保険料については昨年度と変わりません。

また令和4年度の概算保険料のうち労災保険分の計算も昨年度と変わりません。

 

変わるのは、令和4年度の概算保険料のうち雇用保険分についてです。

大雑把に言えば、令和3年度の確定保険料の計算で利用した賃金の総額等を半分にして、

それぞれに令和4年度前半の雇用保険料率と後半の雇用保険料率を別々に乗じ、

それを合計することで雇用保険分を算出するようになっています。

 

「令和4年度 労働保険年度更新の申告書の書き方」では、

この計算を「令和4年度概算保険料(雇用保険分)算定内訳」という表で行うようになっています。

この表は例年配布されている「算定基礎賃金集計表」の下部に追加されています。

ただこの「算定基礎賃金集計表」を使わない方は気づきにくいでしょう。

 

「算定基礎賃金集計表」を利用しない方は、別途集計して計算することになりますが、

今回の申告書では概算部分の雇用保険料率が印字されません。

例年であれば申告書の料率を見れば計算できていたところが、できなくなります。

そこで引っかかることもありそうです。

 

詳細は下記URLより、厚生労働省ホームページをご参照ください。

https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/hoken/kakikata/keizoku.html

 

また 下記URLでは(年度更新申告書計算支援ツール)を入手できます。

https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudouhoken01/yousiki.html

 

例年通りと思い込んでいるとつまづくかもしれません。

申告書及び案内書類が届きましたら該当部分をご確認いただくことをお勧めします。

労働判例に関する勉強会への参加(2022/4/15)

労働関係の裁判のケーススタディをする勉強会に参加しました。

講師が高名な学者の方で、以前に別の講義を受講してかなり良かったので期待していました。

 

今回の内容としては、労働者性の判断や同一労働同一賃金に関するものなど、

労働の根本的な問題から最新の論点までお話があり、

また法律的な考え方を深めることもでき、とても有意義なお話を聞かせていただきました。

 

また、今回の勉強会はWebツールを使って参加しました。

会場に行かなくても参加することができるので、コロナを気にすることなく、

単純に往復する時間がかからないので、効率よく参加することができました。

 

弊所は社会保険労務士事務所です。

労働社会保険関係の手続き代行が基本的な業務内容です。

法律相談を承っているわけではありませんが、

手続きから派生して労働関係法令の話になることもあります。

 

場合によっては、相手のお話に懸念を伝えることもあるのですが、

争ったら負けるのかもしれないけど、うちでは争いになんてならないから、という方もいます。

 

そういうお話を承ると残念な気持ちもあるのですが否定しきれません。

確かに裁判などの争いの場になるようなトラブルは氷山の一角です。

法律と現実は異なり、多くは顕在化することなく過ぎ去るということもあるでしょう。

 

それでも、知識を得ることで、トラブルを予防することや物事を円滑にすることは可能です。

知っていること自体が価値を生む。

その価値をご理解いただくことで、この商売ができるのだと考えています。

令和4年4月からの年金制度改正(2022/4/8)

新年度に入り、テレビでも新年度での法律改正のもろもろを紹介していました。

中でも年金制度の改正がよく取り上げられていたイメージがあります。

 

例えば。

●繰下げ受給の上限年齢の引き上げ

 老齢年金の繰下げの上限年齢が70歳から75歳に引き上げられた

●繰上げ受給の減額率の見直し

 繰上げ受給をした場合の減額率が1月あたり0.5%から0.4%に変更された

●在職老齢年金制度の見直し

 在職中の老齢厚生年金受給者(65歳以上70歳未満)について、

 年金の支給が停止される基準が65歳以上の在職老齢年金と同じ基準に緩和された

●在職定時改定の導入

 在職中の老齢厚生年金受給者(65歳以上70歳未満)について、

 年金額が毎年1回定時に改定されるようになった

 

これらの改正は、年金の受給年齢を柔軟にし、

年金を受け取りつつ働く環境を整えるために行われています。

 

年金暮らしという言葉が一般化している中で、

年金をもらいながら働くという感覚は馴染みにくいものと想像されますが、

今後は社会的な理解をより深めていく必要があるのだろうと思います。

 

また、制度が柔軟になったことは歓迎すべきことであるにしても、

逆にいつから年金をもらえばいいのかという判断は難しくなってしまった印象です。

ファイナンシャルプランニングの重要性が高まったとも言えそうです。

 

先日、喫茶店で休憩していたところ、隣の席で就職面接と思われる会話をしていました。

多少お声が大きかったので耳に入ってしまったのですが、

どうやら年金暮らしの足しにするためのアルバイトを探していらっしゃるようでした。

良い職場に巡り合えるよう願っています。

令和4年度雇用保険料率(2022/4/1)

令和4年度の雇用保険料率が厚生労働省のホームページにアップされました。

令和4年度は雇用保険料率が上がりますが、激変緩和措置として、

4月からと10月からとで段階的に保険料率が上がるようになっています。

 

令和4年度の雇用保険料率は以下のとおりです。

 

【令和4年4月1日〜令和4年9月30日】 

●一般の事業          9.5/1000

 うち、労働者負担:3/1000、事業主負担:6.5/1000

●農林水産・清酒製造の事業 11.5/1000

 うち、労働者負担:4/1000、事業主負担:7.5/1000

●建設の事業          12.5/1000

 うち、労働者負担:4/1000、事業主負担:8.5/1000

 

【令和4年10月1日〜令和5年3月31日】 

●一般の事業          13.5/1000

 うち、労働者負担:5/1000、事業主負担:8.5/1000

●農林水産・清酒製造の事業 15.5/1000

 うち、労働者負担:6/1000、事業主負担:9.5/1000

●建設の事業          16.5/1000

 うち、労働者負担:6/1000、事業主負担:10.5/1000

 

詳細は下記URLより、厚生労働省ホームページをご参照ください。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000108634.html

 

年度の前半については、労働者負担分に変更がないので給与計算には影響しません。

年度の後半は労働者負担分が上がるので、給与計算で控除する雇用保険料が変わります。

 

年度の前半と後半で料率が変わることで、

労働保険の年度更新に際しての概算保険料の計算もひと工夫が必要になっています。

これについては別の機会にご案内できればと考えています。

世田谷年金事務所の移転(2022/3/25)

世田谷年金事務所が移転しました。

令和4年3月22日より、移転先での業務が開始されています。

電話番号も変わっていますのでご留意ください。

 

日本年金機構HP

世田谷年金事務所は令和4年3月22日に移転しました(PDF)

https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2022/202203/0322.files/setagaya1.pdf

 

世田谷年金事務所

https://www.nenkin.go.jp/section/soudan/tokyo/setagaya.html

 

移転前は二子玉川のライズオフィスというところでしたが、

移転後はご相談や手続き内容によって場所が変わります。

企業のご担当者様が行う適用関係の届出は、

基本的には、所在地が世田谷区世田谷の年金事務所になります。

 

電子申請の普及やコロナ禍での対面業務の回避などによって

実際に年金事務所に出向くことが少なくなっています。

今後も行政の移転や統廃合などが多くなってくるかもしれません。

 

デジタル化の普及は、良い面もありますが勝手が悪くなる側面もあります。

バランスのよい組織体制を構築してもらいたいと思います。

2022春闘(2022/3/18)

令和4年の春闘は、3月16日が集中回答日でした。

連合のHPにおいて第1回回答集計のプレスリリースが掲載されています。

 

・平均賃金方式では集計組合数は776組合(昨年対比113組合増)

 回答額は6,581円(昨年対比1,018円増)

・300人未満の中小労組では、集計組合数は388組合(昨年対比41組合増)

 回答額は5,384円(昨年対比587円増)

・非正規労働者の賃上げ(加重平均)は、

 時給で26.25円(昨年対比1.64円増)、月給で4,680円(昨年対比296円減)。

 

集計された組合数も金額も、多くの部分は昨年対比で増えています。

昨年が世界的なコロナ禍での厳しく低調な交渉であっただけに、

今年は経営側の対応も比較的良好で早期の妥結が多かったのかもしれません。

 

しかし、特に日本はまだコロナ禍から抜けきれない状態であり、

原材料や原油などの高騰やウクライナ関連の問題によって国際的な環境も良好とは言えません。

日本においては賃金の上昇よりも物価の上昇が上回る懸念があり、

国民のお財布には厳しさが続くかもしれません。

 

とりあえずは3月21日で全国的にまん延防止等重点措置が解除されることになりました。

まずはこの賃上げ基調が全国の多くの中小企業に広がっていくこと。

そして来年以降も日本全体にその傾向が継続することを願っています。

物価上昇と給与水準向上への願い(2022/3/11)

政府は2022年度上半期の輸入小麦の価格を平均17.3%引き上げることを発表しました。

これは2021年度下半期に続く大幅引き上げで、

2021年度下半期の19%に次ぐ過去2番目の大幅引き上げとのことです。

つまりこの一年で、かなり大幅な値上げになっているということです。

 

小麦だけでなく原油価格も大きく値を上げています。

国会でも、対策として補助金の追加やトリガー条項の凍結解除などについて審議されています。

 

日本経済が良くなるためには、国民所得が増える必要があります。

物価だけが上がって所得が上がらないと実質的な購買力が低下して、

国民はモノを買うことができなくなっていきます。

国民がモノを買わないと会社経営が苦しく、結局所得が上がらないという悪循環。

 

なんとかこの悪循環が止まって欲しいと願っています。

日本の法律では、労働者に対する不利益変更はなかなかハードルが高く、

一度給与の水準を上げてしまうとなかなか下げずらいという環境があり、

それ故に給与が上がらないと言われることがあります。

 

その考え方が雇用や所得を守っている側面もあるので、一概に断ずることはできませんが、

それがかえって日本経済を苦しめているのであれば何か考える必要があるのかもしれません。

もちろん、単に労働条件を切り下げやすくするだけでは問題があります。

慎重な議論が必要です。

 

国内の新型コロナウイルスの感染状況は収まる方向にあるものの予断を許さない状況であり、

国際情勢も緊迫した状況が続き、経済環境は良好とは言えません。

一人ひとり個人の努力ではどうすることもできない状況があります。

日本経済が再生するよう願っています。

雇用契約書を交わすタイミング(2022/3/4)

3月から4月にかけては、入退職が多くなる時期です。

しかし残念ながら、せっかくご入社いただいたにもかかわらず、

数日やひと月といったごく短い期間で退職されてしまうケースがあります。

 

想像していた環境と違っていて、早めに軌道修正しようとすることは理解でき、

そうであれば早い方が良いのかもしれません。

ただあまりにも早いタイミングでのご退職は、社内の士気も下がりますし効率も良くありません。

これには事前のコミュニケーション不足が理由の一つにあるのではないかと想像します。

 

中小企業では、入社した後に雇用契約書を締結するということをよく耳にします。

例えば、最初の出勤日に署名や押印してもらうといった流れです。

 

弊所としては、この雇用契約書への署名押印という作業を、

最初の出勤前に済ませておくことをお勧めします。

 

アナログですが、署名押印をするという行為によってご入社される方は実感が湧きます。

働くことの具体的な想像をします。

躊躇しているという方は、この時に一度冷静になって考える機会になります。

そして署名押印というある種の儀式によって、覚悟が決まる側面もあるでしょう。

 

会社側の担当者としては、書面でのやり取りは面倒かもしれません。

しかし、ごく短期間でのご退職は雇用保険や社会保険などの手続きのみならず、

それまでの採用過程や受け入れ準備などの時間、労力及びコストを無駄にしてしまいます。

それを多少なりと防ぐことができれば、意義のあることではないかと思います。

 

なお、雇用契約の成立に署名押印が必須というわけではありません。

ただ再考する何かのきっかけを一つ置いておけば、

会社側としてもドタキャンをされてしまったかのようなモチベーションの低下を防ぎ、

また効率の良いフローができるのではないかと考えます。

労働施策総合推進法に基づく中小企業での義務(2022/2/25)

令和2年6月1日に、改正労働施策総合推進法が施行されました。

いわゆるパワハラ防止法と呼ばれ、パワーハラスメント防止義務が事業主の義務となりました。

ただ令和4年3月31日までは中小企業では努力義務に留まっていたところ、

この令和4年4月1日より、中小企業でも義務になります。

 

以下の厚生労働省HPにリーフレットが掲載されていますのでご参照ください。

https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000855268.pdf

 

 

上記リーフレットの中で、パワーハラスメントは、

職場で行われる以下の3つの要素をすべて満たす行為とされています。

 

1.優越的な関係を背景とした言動

2.業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの

3.労働者の就業環境が害されるもの

客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導は該当しません。

 

パワーハラスメントに該当するか否かというのは、相変わらず難しいところがあります。

判例では、ハラスメントの成否は標準的な労働者の感覚に基づいて判断するという例もあるようで、

ハラスメントはある特定の個人の感覚のみによって判断されるということではありません。

いずれにしても、パワーハラスメントに関するトラブルは後を絶ちません。

 

暴力が許されることはありませんし、

人格を侵害するような言動が肯定されることもありません。

加害者本人のみならず、使用者責任や安全配慮義務違反などにより、

経営者や組織そのものの責任が問われることにもなります。

 

職場に限ったことではなく、そもそもハラスメントは望ましくない行為です。

改めて、より良い環境が多くの場所で実現されるよう願います。

大卒初任給の推移(2022/2/18)

某酒造メーカーが2022年、2023年入社の大卒初任給を

従来の21万円程度から30万円に引き上げるというネットニュースを見ました。

さらに同社では5年で平均基本給を2倍にすることを目標としたプロジェクトを始め、

2026年まで段階的にベースアップを実施するとのことです。

 

立地や規模感は地方の中小企業なのですが、

お酒が好きな方であればよくご存知のメーカーで

海外進出も果たしており業績は右肩上がりとなっています。

それにしても、初任給30万円はインパクトがあります。

 

令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況から、

学歴別にみた初任給は以下のようになっています。

 男 性 大学卒 212.8千円

 女 性 大学卒 206.9千円

 男女計 大学卒 210.2千円

 

同賃金構造基本統計調査によれば、

1992年の大卒初任給が186,900円、2002年の大卒初任給が198,500円となっており、

30年経ってもあまり上がっていないことが分かります。

1982年まで遡れば127,200円となっているので、この30年の低成長ぶりが伺えます。

 

今年の春闘では、政労使で賃上げの機運が高まっています。

コロナ禍によって業績の明暗が分かれており、企業によって異なると思いますが、

明るい兆しが出てくることを期待します。

令和4年度協会けんぽの保険料率(2022/2/10)

令和4年度の協会けんぽの健康保険料率及び介護保険料率が、

協会けんぽのHPに掲載されています。

 

東京都の健康保険料率は9.81%(令和3年度9.84%)となり、前年度比で0.03%下がっています。

介護保険料率は、全国一律で1.80%から1.64%に引き下げとなっています。

 

これらの保険料率は、一般の被保険者は3月分(4月納付分)から、

任意継続被保険者については4月分(4月納付分)から適用となります。


なお、東京近県の協会けんぽの健康保険料率は以下のようになっています。

 埼玉県  9.71%(令和3年度9.80%)

 千葉県  9.76%(令和3年度9.79%)

 神奈川県 9.85%(令和3年度9.99%)

 

詳細は、下記のURLより、全国健康保険協会(協会けんぽ)ホームページをご参照ください。

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g7/cat330/sb3130/r4/220202/

 

新型コロナの影響によって、健康保険財政の先行きも不透明になっています。

経済状況が悪いために平均標準報酬月額の落ち込みがある一方で、

医療給付費は受診控えやそのリバウンドなどもあってその影響を測りかねているようです。

少なくとも、基本的な赤字構造が解消されているとは言えない状況です。

 

健康保険財政に限りませんが、コロナの影響は今後も続くと考えられるので、

それを見据えた対応をしていく必要がありそうです。

令和4年度の雇用保険料の閣議決定(2022/2/4)

令和4年度の雇用保険料の引き上げを含む雇用保険法などの改正案が閣議決定されました。

コロナ禍における雇用調整助成金や失業等給付などで

雇用保険の財源がひっ迫しており、財源の手当てが必要であるとのことです。

 

現在、令和3年度の雇用保険料率は、一般の事業において、

被保険者負担率が1000分の3であり、事業主負担率が1000分の6となっており、

合計の雇用保険料率は1000分の9となっています。

 

この合計の雇用保険料率が、令和4年4月から令和4年9月は1000分の9.5となり、

さらに令和4年10月から令和5年3月は1000分の13.5に引き上げられるとのことです。

 

このうち、4月から9月の1000分の0.5の引き上げは、

雇用保険2事業に充てるもので事業主負担のみの引き上げです。

その後の10月からの1000分の4の引き上げは、

失業等給付に充てるもので労使折半の引き上げです。

 

半年で段階的に引き上げることになっているので、

来年度の労働保険料の年度更新の際には多少計算が煩雑になるかもしれません。

 

また、雇用情勢が悪化した場合に

一般会計から雇用保険に資金を投入できるルールも策定されるとのことです。

より総合的な財源の確保ができるわけですが、

税と社会保険の在り方を検討する一端になるとも考えられます。

 

国会は目の前のコロナ対策で手一杯の印象がありますが、

物価も上がり公租公課も上がり、一方で所得が上がらず実質賃金は下がってしまう。

先行きに対する不安感がぬぐえません。

事業継続のためのBCP(事業継続計画)の策定(2022/1/28)

新型コロナの急激な感染拡大が続いており、多くの社会生活に支障が出ています。

行政機能や公共交通機関など、さらに影響が深刻化していくことも懸念されます。

 

そのような中で、BCPという言葉を見かけることが多くなりました。

BCPとは何でしょうか。

BCPは、Business Continuity Planの略で、事業継続計画と訳されます。

 

中小企業庁のHPから抜粋させていただくと、以下のように記載されています。

「BCPとは、企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、

 事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、

 平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを

 取り決めておく計画のことです。

 

中小企業庁ウェブサイト

https://www.chusho.meti.go.jp/bcp/contents/level_c/bcpgl_01_1.html

 

つまり、有事の際の計画をしておきましょうということで、

新型コロナを想定したものというよりはより広範な緊急事態を想定したものです。

 

報道などでは、例えば、在宅勤務の比率を引き上げるとか、

窓口業務を縮小して基幹業務が運営できる体制を確保するとか、

一部の売り場を閉鎖して生活必需品の売り場に人員を回すことで販売を継続するなど、

事業を継続させるための具体策を報じています。

 

多くの方が目の前のコロナによる影響を乗り切ろうと努力していますが、

この努力は他の脅威が生じたときにも役立つと考えられます。

現状を好機と表現するのは心苦しいのですが、

コロナに限らず、BCPを広範に捉えて検討することも建設的ではないでしょうか。

電子申請についての個別相談会(2022/1/21)

社会保険労務士向けの電子申請の個別相談会があり、相談を受ける側として参加してきました。

この相談会では、電子申請を体験してもらい実際に利用できるようになること、

また、電子申請の操作等の疑問を解決できることを目標としており、

まだ電子申請をしたことがない方がメインとなっています。

 

基本的な内容としては、行政が提供するe-Govというシステムのご説明になります。

申請自体もコツや慣れが必要なのですが、申請するまでの設定もいろいろあり、

申請するところまで至っていない先生方のご相談を受けてきました。

 

多くの社会保険労務士は上記のe-Govであったり、民間の社労士ソフトであったりと、

今や何らかの方法で電子申請を実施されていると思います。

ご相談にいらっしゃった先生方もいろいろな意味で電子化の必要性を感じており、

熱心に取り組まれていらっしゃいました。

 

今後も電子申請の普及は進むと見込まれます。

例えば、日本年金機構では、これまで事業所に紙で送付していた各種帳票を

e-Govを活用して電子的に送達するシステムの開発に着手し、

令和4年度のサービス開始を目指しているとの記事がありました。

 

残念ながらこの記事だけでは具体的な内容は分かりませんが、

電子申請をより普及させていく目的があることは明白です。

 

弊所で利用しているのは上記のe-Govです。

e-Govはこれまでも改善されていますが、まだ使い勝手の良いシステムとは言えません。

しかしシステムは使いながら改善されていくものです。

社会の電子化とうまく付き合っていけるよう努めていきたいと思います。

成年年齢の引き下げ(2022/1/14)

1月10日は成人の日でした。

今年は民法改正によって成年人年齢が20歳から18歳に引き下げられ、

今年の4月1日に18歳以上の方は、皆さん成年に達することになります。

 

そうは言っても、飲酒や喫煙は健康被害の懸念などの観点から20歳の制限が維持されます。

また選挙権は平成27年の公職選挙法改正によって、一足先に満18歳以上に引き下げられています。

 

それでは、社会保険や労働関係はどうでしょう。

 

例えば国民年金は日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入を義務付けられています。

厚生年金はその適用を受ける事業所に勤務する全ての人に加入が義務付けられており、

厚生年金に加入している場合は自動的に国民年金にも加入します。

 

また労働基準法にもいくつか年齢制限があり、

例えば、満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了していない児童は

原則として労働者として使用してはならないと定められています。

 

これらは変更されていません。

つまり民法改正の成年年齢の引き下げとは関係なく、変わりません。

 

一方で、親権者又は後見人は、未成年者に代わって労働契約を締結してはならない、といった

成年とか未成年が関係してくる部分については影響があります。

契約の部分なので、まさに民法の影響です。

 

いずれにしても、成年年齢の引き下げで労働社会保険関係が大きく変わることはなさそうです。

一般論的なところで、悪質な契約に惑わされる方が増えないといいなと願うところです。

年始のご挨拶(2022/1/7)

明けましておめでとうございます。

 

年が明けてコロナの感染が再び広がってきました。

皆さま予期されていたことだと思うのですが、その広がりの速さに驚きます。

昨年は1月早々に緊急事態宣言が出されました。

今年も、遠からずそういう状況になるかもしれません。

 

今年は1月1日より雇用保険でマルチジョブホルダー制度が新設されました。

4月からは年金手帳が廃止されます。

育児介護休業法では10月から出生時育児休業(産後パパ育休)制度が始まります。

社会制度も少しずつ変わっていきます。

 

弊所は、今年で開業10年目という節目の年を迎えました。

ここ2年でお客様もダメージを受けており、弊所も耐えていかなければいけません。

2回目のワクチンを打ったから安心というわけにもいかないようですので、

改めて仕事のやり方や業務内容を見直す必要性も感じています。

 

少しずつでも時代に適応していけるように努めたいと思います。

今年もよろしくお願いいたします。

年末のご挨拶(2021/12/24)

今年も一年、当ブログをご愛読いただき誠にありがとうございました。

 

今年の前半はほぼ緊急事態宣言等の制限下にあり、昨年以上にコロナの影響が大きい年でした。

それでもワクチン接種が進み、東京オリンピックを経ながらも、

後半はコロナの感染を抑えることができたのではないでしょうか。

そして今また新たな変異株とともに、次の段階に進んでいるようです。

 

この2年ほどは、正直なところ、無力さを感じることが多くありました。

コロナ禍において助成金などの不正受給の話が後を絶ちません。

所得と分配の好循環もまだうまくいくイメージが湧かず、

職務を全うすることで全体が良くなるのだという感覚が持てずにいます。

 

また社会保険労務士は、基本的に労働基準法や社会保険各法などの法律の専門家ですが、

生産性向上やデジタル化といった、法律とは色の異なるものが求めらることが多くなりました。

ともすると、それはあまりに方向が違うのではないかという疑問を持つことがありました。

 

その一方で、あなたの仕事は役に立つことなんだから。

そうお客様から言っていただいたこともありました。

確かに、労働社会保険各法は概ね良い仕組みであると信じています。

それを守る守らないの狭間にいるがために、悩んでしまうところもあるのかもしれません。

 

来年、弊所は開業して10年目という節目の年を迎えます。

改めて弊所が提供できることの意義を考えてみたいと思います。

今年もありがとうございました。

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