定時決定による標準報酬月額の源泉控除のタイミング(2022/7/22)
7月も下旬に入り、定時決定(算定基礎届)の公文書が届きつつある頃かと思います。
その中で7月支給のお給料は新しい標準報酬で計算するのかというご質問がありました。
そういう受け止め方があるのかと気づいたのでご説明してみます。
定時決定で決定した標準報酬月額の適用年月はその年の9月です。
今年の定時決定で言えば、令和4年9月適用ということになります。
では9月支給のお給料から適用されるのかというと、そうではありません。
社会保険料の源泉控除については法律に以下のように定められています。(一部省略)
「事業主は、被保険者に対して通貨をもつて報酬を支払う場合においては、
被保険者の負担すべき前月の標準報酬月額に係る保険料を報酬から控除することができる。」
(健康保険法第167条、厚生年金保険法第84条)
前月の標準報酬月額に関わる保険料を報酬から控除するということは、
対象月の翌月に支給される給与で控除することができるということです。
つまり、令和4年9月適用の標準報酬月額は令和4年10月支給給与で控除することになります。
定時決定に限らずよく伺うのは、自社の給与の締め支払いが当月締めの当月払いなので、
9月分の社会保険料は9月支給の給与で控除するのではないかというお話です。
しかし条文としては、勤怠の締め日とは関係なく、原則は翌月控除ということになっています。
(喪失関係や同月得喪など、そうでないケースもあるのですが割愛します)
ただ現実には様々な事情によって源泉控除のタイミングがずれてしまったり、
給与で源泉控除できず別に現金や振り込みなどで会社に納めてもらうこともあります。
いずれにしても、健康保険や厚生年金の負担が労使互いに公平になるよう(労使折半です)、
そしてお金のやり繰りに支障が生じないように、うまく対応することが肝要です。