雇用契約書を交わすタイミング(2022/3/4)
3月から4月にかけては、入退職が多くなる時期です。
しかし残念ながら、せっかくご入社いただいたにもかかわらず、
数日やひと月といったごく短い期間で退職されてしまうケースがあります。
想像していた環境と違っていて、早めに軌道修正しようとすることは理解でき、
そうであれば早い方が良いのかもしれません。
ただあまりにも早いタイミングでのご退職は、社内の士気も下がりますし効率も良くありません。
これには事前のコミュニケーション不足が理由の一つにあるのではないかと想像します。
中小企業では、入社した後に雇用契約書を締結するということをよく耳にします。
例えば、最初の出勤日に署名や押印してもらうといった流れです。
弊所としては、この雇用契約書への署名押印という作業を、
最初の出勤前に済ませておくことをお勧めします。
アナログですが、署名押印をするという行為によってご入社される方は実感が湧きます。
働くことの具体的な想像をします。
躊躇しているという方は、この時に一度冷静になって考える機会になります。
そして署名押印というある種の儀式によって、覚悟が決まる側面もあるでしょう。
会社側の担当者としては、書面でのやり取りは面倒かもしれません。
しかし、ごく短期間でのご退職は雇用保険や社会保険などの手続きのみならず、
それまでの採用過程や受け入れ準備などの時間、労力及びコストを無駄にしてしまいます。
それを多少なりと防ぐことができれば、意義のあることではないかと思います。
なお、雇用契約の成立に署名押印が必須というわけではありません。
ただ再考する何かのきっかけを一つ置いておけば、
会社側としてもドタキャンをされてしまったかのようなモチベーションの低下を防ぎ、
また効率の良いフローができるのではないかと考えます。