電通に対する是正勧告(2019/12/7)
大手広告会社の電通に対して、労働基準法及び労働安全衛生法に違反したとして、
今年9月に、三田労働基準監督署から是正勧告が出ていたとの報道がありました。
電通は、平成30年度において、時間外労働の上限を、
原則として月45時間、事前申請で月75時間に延長できる三六協定を締結していたところ、
営業関連部署で月75時間を超えた事例が4件(最長は月156時間54分)あり、
また事前申請をせずに上限を延長した事例も6件あったとのことです。
平成30年度のことのようなので、時間外労働の上限規制が始まる前です。
この事案が平成31年度であれば、より深刻な処分がなされていたかもしれません。
また報道も、もう少し加熱したと考えられます。
電通は、過去に2度の過労死事件が発生しています。
平成29年の過労死自殺の事件は記憶に新しいところです。
この事件をきっかけに、時間外労働の上限規制が法制化されたとも言えます。
電通は、過去に繰り返し是正勧告が出されています。
大きな組織になれば、その体質を急激に変えるのは困難なのでしょう。
それでも、人の生命身体を守るために、変わっていただきたいと考えます。
時間外労働の上限規制が始まったこの4月以降にこそ、
電通も、労働行政も、真価が問われるところではないでしょうか。