職場におけるパワーハラスメントに関して雇用管理上講ずべき措置等に関する指針の素案(2019/11/23)
10月21日、厚生労働省の労働政策審議会雇用環境・均等分科会において、
「職場におけるパワーハラスメントに関して雇用管理上講ずべき措置等に関する指針の素案」
が示されました。
同日に、日本労働弁護団から修正を求める緊急声明が出るなど、内容については賛否あるようです。
かねてよりパワーハラスメントは定義が難しく、
今回の素案においては、捕捉の意味を込めてか、
パワハラに該当すると考えられる例と該当しないと考えられる例が示されています。
報道でも指摘されていましたが、該当しないと考えられる例には、
確かに少し首をひねりたくなるものもありました。
例えば、ごく一部だけを抜粋しますが、
「遅刻や服装の乱れなど…略…強く注意をすること」
という表現が、パワハラに該当しないと考えられる例の中にあります。
さて「強く注意をすること」というのは、どういうことなのでしょうか。
服務規律を遵守できていない労働者に対して注意をするのは当然のことだと思うのですが、
ここで重要なのはその注意の仕方であって、
それによっては、やはりパワハラに該当することもあり得るように思います。
具体例を示すことで議論を促す狙いがあるのかもしれませんが、
改めて、パワハラに該当する行為を示すことの難しさを感じました。
ただこういった考え方が示され、議論が行われること自体が重要であり、
その結果として、より良い職場環境の整備が進むことを願います。