老後に2000万円の不足(2019/6/15)
金融庁のワーキンググループが提出した報告書において、
老後に必要とされるお金が2000万円不足するという記載があったことについて、
連日、様々に報道されています。
一応、ざっと報告書に目を通してみました。
例えば「高齢夫婦無職世帯の平均的な姿で見ると、毎月の赤字額は約5万円となっている。」
という記載があり、厚生労働省の図解資料が添付されていました。
その図解資料によれば、実収入が209,198円で、実支出が263,718円であり、
その差額が54,520円のマイナスになっています。
▲54,520円/月×12か月×30年=▲19,627,200円
確かに約2000万円のマイナスになるようです。
なお、この実収入209,198円のうち191,880円が社会保障給付で、実に9割以上を占めています。
年金を払っていない方は、どうなってしまうでしょうか。
社会保障が破綻していて、年金制度が不要との誤解を与えるのではないかというのは、
その解釈こそが誤った発信であると思います。
ただ、こういった試算は、当然一定の前提に基づいて計算されているわけで、
万人がこの状況に該当するわけではありません。
もっと良い状況の方もいれば、もっと悪い状況の方もいます。
大事なのは、こういう問題提起をきっかけにして、考えることだと思います。
将来について考えるべきは、お金のことだけではありませんが、
良い機会なので、皆さまもご自身やご家族の将来について、考えてみてはいかがでしょうか。