労働時間の把握義務(2018/11/25)
働き方改革に関する法改正について、お話をする機会が増えています。
そのうち、三六協定の上限規制と有給休暇の年5日付与はよく話になるのですが、
その他の改正項目はなかなか話題になりません。
そのうちの一つなのですが。
2019年4月から、労働時間の把握義務が課されることになっています。
少し違和感がある方もいると思うのですが、
これまで労働時間の把握義務は法律上明記されておらず、
規定としては、行政の通達レベルで存在していました。
また、その主な目的は割増賃金を適正に支払うことであり、
労働基準法に関する通達において規定されていました。
よって、裁量労働制の適用者や労基法41条の管理監督者は、その通達の対象外でした。
しかし今回の改正では、健康管理の観点から、
裁量労働制の適用者や管理監督者も含め、
全ての人の労働時間の状況が客観的な方法その他適切な方法で把握されるよう、
労働安全衛生法で義務付けられました。
労働時間の把握義務は、割増賃金や安全配慮義務などの基礎となるものです。
つまり、この把握義務を守れていないとなれば、
その上にさらに問題があるのでは、と思われてしまうということです。
働く方や周囲の方から不要な疑念を抱かれないよう、ご対応いただければと思います。