大手電機メーカーの裁量労働制下での労災認定(2018/9/29)
また強力な台風がやってきていて、今年は本当に災害の多い年だなと思います。
イベントや交通機関も早めに中止や延期となっているようです。
それでも働かなければならない方々もいらっしゃるでしょう。
十分に準備を整え、身の安全を確保していただければと思います。
さて、9月27日に、三菱電機の社員5人が2014年から2017年に、
長時間労働を原因とした精神障害や脳疾患を発症し労災認定されていたことが報道されました。
この5人はいずれもシステム開発関連の技術者や研究者で、
そのうち3人は裁量労働制が適用されており、5人のうち2人は過労自殺だったとのことです。
同社は、労災認定とは無関係としながら、
約1万人に適用されていた裁量労働制を今年3月に撤廃しています。
理由は、労働時間をより厳格に把握するため、とのことです。
不思議に感じたのは、1万人もの方に裁量労働制が適用されていたことでした。
裁量労働制は、業務の遂行方法が大幅に労働者の裁量に委ねられる一定の業務に制限されており、
多くの労働者に門戸を開いているものではないはずです。
以前報道された、野村不動産の裁量労働制の下での過労死認定についても、
確か、多くの労働者に対して裁量労働制が適用されていましたが、
これは違法適用であったということが分かっています。
三菱電機の場合はどうだったのでしょうか。
人の生活は千差万別なので、働き方に多様性があるのは、然るべきことかと思います。
しかしながら、決して人の身体生命を脅かすようなことはあってはならない、と考えます。