行政における障害者雇用の水増し(2018/9/1)
中央省庁が、雇用している障害者数を水増ししていたことに関し、
平成30年8月28日、厚生労働省が調査結果を発表しました。
その調査結果によれば、昨年6月時点で、
調査対象となった中央省庁の33の行政機関のうち、27の機関で水増しがあったとしており、
その人数は、中央省庁で雇用したことになっていた障害者の半数に上る3460人でした。
雇用すべき障害者の数は、障害者雇用促進法に定められており、
調査対象となった当時の国や地方公共団体等が達成すべき法定雇用率は2.3%でした。
当時公表されていた雇用率は2.49%でしたが、実際の雇用率は1.19%だったということです。
(平成30年4月1日以降、国や地方公共団体等が達成すべき法定雇用率は2.5%に引き上げ)
民間企業がこの法定雇用率を達成できなかった場合、納付金を納めることになり、
逆に法定雇用率を上回る企業には、調整金や報奨金を支給するなどの
「障害者雇用納付金制度」があります。
ただし、国や地方公共団体にはこの納付金制度は適用されません。
この水増しについて、8割もの中央省庁で行われ、しかも地方公共団体にまで波及しそうです。
いつから始まったかも今のところは不明とのことで、長い間放置されてきた可能性もあります。
障害者の方々からも、法律を遵守する民間企業からも、批判が出るのは至極当然です。
ここ数年、行政の信頼を損なう事態は、枚挙に暇がありません。
根源的な部分に問題を抱えているような気がしてなりません。