裁量労働に関する異常なデータ(2018/2/24)
働き方改革法案に関連して。
裁量労働制拡大の根拠としたデータの異常値を巡り、国会で論戦が行われています。
「裁量労働制で働く方の労働時間の長さは、平均的な方で比べれば、
一般労働者よりも短いというデータもある」というような安倍首相の答弁は、
現場の方には、違和感のあるものだったのではないでしょうか。
そもそも裁量労働制が、労働時間短縮のための仕組みという認識がなかったので、
データの内容だけではなく、答弁としてもやや的が外れているのではという気がしました。
安倍首相は、裁量労働制の拡大による労働時間の短縮を意図しているのでしょうか。
今審議されている法案は、時間外労働の上限規制などの規制強化の内容と、
高度プロフェッショナル制度や裁量労働制の拡大などの規制緩和の内容が、
セットになっているという認識です。
労使痛み分けで、働き方改革を進めたいという思惑がある中で、
ちょうどいいデータがあったので答弁してしまったということだと想像します。
民主主義なので、多くの方のご意見を取り込みながら、政策を作っていかなければなりません。
政治というのは難しい作業なのだと思います。
そうは言っても、議論の土台が不適切なものなのであれば、
そこで行われる議論が建設的なものになるとは考えられません。
結論ありきで、それに沿った資料を出しているように見えれば、不信感を抱かざるを得ません。
是非良い議論をしていただきたいと思います。