電通事件の判決(2017/10/9)
平成29年10月6日、東京簡易裁判所は、労働基準法違反の罪に問われた電通に対し、
求刑通り罰金50万円の判決を言い渡しました。
電通は控訴せず、判決は確定する見通しとのことです。
人命が失われているのに、罰金50万円は、感覚的にどうにも腑に落ちないのですが、
問われたことは労働基準法違反なので、妥当であるという意見は理解できます。
また同日には、政府が過労死等防止対策白書を閣議決定しています。
それによると、2016年度に労災認定された過労死や過労自殺は191件であり、
近年は年間200件前後で推移しているとのことです。
繰り返しになりますが、人命が失われています。
しかも労災認定された件数だけで年間約200件です。
もはや明確に一過性のものではなくなっています。
労働基準法の厳罰化という意見もあるようですが、
過労死や過労自殺は、長時間労働だけが原因ではないので、
長時間労働の問題とは別に、人の心身を害した場合は、
従来の労働基準法違反とは異なる対応を考えても良いように思います。
もちろん、罰の強化を願っているわけではありません。
そのような事件が起きないこと、せめて少なくなることを願っています。