罰則付き時間外労働の上限規制(2017/4/22)
第10回働き方改革実現会議で決定された「働き方改革実行計画」。
その議論の中で、罰則付き時間外労働の上限規制の導入が注目されました。
ただ、この議論。
多くの方はピンと来てないかもしれないなと思っています。
そもそも労働基準法では、原則として1日8時間、1週40時間を超えて
労働させてはいけないことになっています。(労働基準法第32条)
その上で、労働基準法第36条に時間外及び休日の労働に関する規定があり、
そこで定める労使協定を行政官庁に届け出れば、
その範囲で労働時間を延長したり、休日労働をさせたりすることができるとされています。
そのため、この労使協定を三六協定とよんだりします。
この三六協定では、延長することができる時間等の取り決めが必須です。
そしてその上限は、厚生労働大臣の限度基準告示に定められていますが、
臨時的な特別の事情がある場合には、さらに延長できるよう定めることができます。
これが特別条項と言われるものです。
このように、規制はあるのですが、結局これらに違反したときに罰則等がないのが現状です。
そのため、今回の上限規制が罰則付きであることが注目されています。
日本人の働き方ということなので、法律だけがあってもすぐには変わらないかもしれませんし、
もちろん一生懸命に働くことを否定するものではありません。
ただ、過労死などというものはあってはならないことです。
その共通理解があれば、今はピンと来なくても、良い方向に行くのではないかなと思います。