過労に対する労働行政(2016/10/23)
電通での過労自殺についての報道は、社会的に大きな影響を見せています。
ひと時のニュースとして過ぎ去ってしまわなかったことが救いかなと思っています。
同社では、実は3年前にも当時30歳であった男性が過労自殺していたという報道も見聞きし、
25年前から、実態としては何も変わっていないのではないかと疑いたくなってしまいました。
同じ会社で、労働によって繰り返し人がなくなっていることを考えると、
労働監督行政としても、問題があるような気がします。
様々な記事を読んでいると、時間外労働の時間数が記事になっているのですが、
おそらくはより長い時間の労働が行われていたと推測されますし、
さらに、それをやらなければいけない企業文化のようなものもあったものと思われます。
それはハラスメント行為にもつながるものだったかもしれませんし、相当のストレスだったでしょう。
とすれば、単純に労働時間の長短だけで語れるものでもないと考えられます。
過労死や過労自殺が世に出ているのは氷山の一角といわれています。
一生懸命に働くことは、もちろん良いことだと思いますが、
人を死に追いやるような働き方はあってはならないと思います。
今後、改めて労働行政も厳しくなるでしょうし、国会等でも議論が活発になるでしょう。
世にはブラック企業という言葉が使われていますが、その言葉自体には公式な定義がありません。
そのため、人によって言葉の意味に差異があって、うまく議論ができない場合があります。
呼び方はともあれ、どういう対象を規制していくか、より本格的な議論が必要なのではないでしょうか。